目次
はじめに
自分の仕事ながら本当に潰しが効かないのですが、「DTP(デスクトップパブリッシング)」。デジタルで印刷物を作る、発行することを指す言葉で、具体的にいうと雑誌やチラシ、紙以外では看板やグッズなど制作することを指します。
【DTPの流れ – 雑誌制作の場合】
今は様々なオンラインデザインツールがありますし、ネット上に素材も溢れていることから、職業としてでなくとも個人でオンライン印刷サービスを使う方も多いかと思います。
日本でオンライン印刷サービスを利用する際は、ステッカーならここ、名刺ならここ、パネルならここ……というように、経験から把握している大体の価格と納期、品質から選択していました。
しかしここはイタリア。
google翻訳に頼りながらでないとwebサイトに書かれていることを理解することができない現状の語学力もそうですし、取り扱っている紙の種類や入稿の際のデータ形式は日本と同じなのかなど、実際のところが分かりません。そんな中、名刺とポスターの印刷でオンラインサービスを利用してみましたので、その経験をシェアしていきたいと思います。
名刺印刷
イタリア語で名刺は「biglietto da visita」。
オンライン印刷業者を探す際は、<bigligetto da visita stampa originale>と入力して検索しました。
bigligetto(チケット)だけで検索すると、結婚式関連のものがヒットして、イタリアっぽいなぁと思ったり。
納期と金額
日本でのイメージだと、名刺100部両面カラーで1,000円切るくらいなんですよね。3〜4日から長くて1週間くらいの納期が標準で、即日とか翌日だと追加料金がかかる、というような。
その感覚で探していると、イタリアの印刷業者……高くない? 納期長くない? というのが印象。検索を続けた結果、実際に注文した業者の価格、納期がこちらです。
印刷業者 | 条件 | 納期 | 価格 |
bizay | 85×55㎜/350gコート紙/両面カラー/100部 | 8日間 | 23.19€ |
納期は短くすることもできますが、最短の5日だとさらに30.99€加算されます。というか今回注文した8日納期で既に約8€追加料金かかっているんですよね……。1ヶ月以上先の納期でやっと追加料金無料になります。
一例として日本のプリントパックさんなら4日納期送料無料で990円(紙の厚さが異なるので単純に比較はできないのですが、どちらも名刺として標準的な基準の範囲です)。
納期なんですが、イタリアでは配送業者は基本土日休み(土曜は営業している場合もあり)なので、それを加味すると記載されている日数より長くなることを想定する必要があります。
入稿形式
入稿はオンライン上で完結(注文画面でイメージ画像が確認できる)するスタイルでした。aiでもpsdでも入稿でき、PDF/X1Aなら無料でした。pdfでの入稿を勧めるのは日本の昨今の流れと同じですね。
仕上がり
今回の注文で選択した紙はコート紙350g(Carta patinata)。この仕様は標準でそうなっていて、他の選択はできませんでした。この350gというのはどの程度の厚みのなのかというと……
350g | 0.43mm |
180kg [標準] | 0.210mm |
220kg [厚め] | 0.270mm |
180kg/220kgは日本のオンラインプリントサービスでの一例です。これらと比べて約倍の厚みがデフォルトとなっています。では、実際に届いた商品を見ていきましょう。
小さな段ボールで届き、割引クーポンが同封されていました。肝心の品質はというと、印刷、紙質含めまったく問題は感じませんでした。
探せばまだまだお得な業者さんがあるかもしれませんので、もし見つかったら情報を更新したいと思います!
ポスター印刷
印刷業者価格チェック
今回探していたのは24×30cm。家に飾る用にフレームを買ったので、それに合わせたサイズです。額に入れることから紙の質にはそれほどこだわる必要がないので(耐水性や耐光性不要、コーティングされている必要がない)、ほどほどの品質(厚さ)でお安いもの、という基準で検索しました。
実際に検索してみると、A4とかA3とかでないカスタムサイズは最短辺30cm以上ということがちょいちょいあり、24×30cmに対応している業者もあったのですが、お値段とのバランスから結局A4サイズ(21cm×29.7cm)で注文することにしました。
実際のオーダー画面を見てみましょう(google翻訳で日本語になっています)。
A4サイズ2枚で3.60€。安い! しかも名刺の際のように納期に対する追加料金がそれほど高くない!
安いからもう一枚注文しよう……と思いきや、配送料金10€(確かに前の画面ではまだTBAだった……)。そしてそもそも最低注文金額10€。必ず1オーダー20€以上になる仕組みです。
A4サイズ2枚で24€は高いな……と思い、別の業者を探すことにしました。
実際に注文した業者
そして、実際に注文した業者がこちら、MY POSTERさんです。
ポスター印刷は上記のサイズからの選択式となっています。自宅に飾るだけなのでまぁいいかというところで、額に合わせたサイズより4cm小さいですが30×20cmを選びました。
オンライン上でjpgやpngなどの形式の画像をアップするスタイル。簡単な画像調整機能もありました。
価格は1枚5.99€×2点+配送料6.99€で18.97€。それでも高いな、というのが正直な感想ですが、先ほどの業者と比べてかなり抑えられたのでよしとします。
仕上がり
こちらが実際に届いた商品です。梱包状態は十分だと思います。
紙質は選択できませんでしたが、半光沢のコート紙で厚みも適度な印象です。写真印刷ではないのでクオリティは分かりにくいかもしれませんが、印刷状態はとくに問題ありません。
オフラインの印刷サービス
キンコーズのようなその場で印刷したりカットしたりできるサービスはないのかな? と思いましたが、これについてはまだ見つけることができていません。
ただ、こちらには「Tipografia」という業種があり、結婚式の招待状や写真でデコレーションされた店舗を見かけることがあります。こういったお店にデータを持ち込んで印刷することができるかもしれませんが、おそらくすぐその場でポスター印刷……というのは無理なのではないかなぁという印象です(こちらで暮らした私の少ない経験値からの予想なので、実際どうなのかは分かりません)。
コピーならタバッキ(たばこ屋)と呼ばれる個人経営のコンビニのような店(タバコとちょっとした雑貨を扱う。昔の日本の文字通りたばこ屋に近いのかなと思います)があるのですが、そこで行うことができます。
日本のコンビニならセルフで行うことが前提ですが、ここではUSBなどでデータを渡す、もしくはその場でメールに添付して送るなどして、店の方にやってもらうのが普通です。
まとめ
今回わたしが検索して探し出した範囲では、日本と比べ紙質など選択の幅があまりなく、価格は高め、納期長めという印象です。ですが、わたし自身の語学力が向上すればより細かく条件を設定して検索し、より良い業者を見つけられるかもしれません。その際には情報を更新したいと思います。